Dinner with Manami's parents *thanks for 40,000stars*

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「そうですか…皆藤さんのお母さんのおっしゃったこと…私がそう考え、そう愛実に言ってやらないといけなかったのかもしれません」  愛実のお母さんの目には光るものが見える。 「ずっとどこか世間体やご近所の目を気にして…愛実の幸せを一番に考えていなかったのかもしれない…」 「そんなことはないと思います。ご両親の愛情を感じているから、何を言われるかわかっていても彼女はここでこうしてお二人に向き合っている。感じていなかったら勝手に結婚するでしょうから」 「父さん、母さん、愛実は悠衣のいいところを言わなかったが、わかるだろ?こういうところ…本当に大きな人間だと思うよ。物の捉え方や人に向き合う姿勢。俺も尊敬できる男だ」  克実の言葉に頷いたお二人は 「皆藤さん、愛実をよろしくお願いいたします」  揃って頭を下げた。 「はい、ありがとうございます。二人で幸せになるので見守っていてください」 「お父さん、お母さん。ありがとう。たくさん心配かけたと思うけど本当に大丈夫だからね」 「わかったよ。今度は二人でうちに来なさい」 「うん」 「愛実、忙しいな。うちの親にもマレーシアに呼ばれてるぞ」 「マレーシアにおられるのですか?」 「はい。ここからは食事しながらゆっくりと」  その後、料理を運び始めてもらい和やかに食事は進んだ。今日は愛実が自分の言葉で突破口を開いたな。今夜はたっぷりと誉めて、全身で褒美をやらないとな…安心した表情で大きな口を開ける愛実を見ながら思った。 [完]
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