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翌日はシンガポールへ行く。まずシンガポールのDiamante Kaiに寄り、俺宛で送っておいた荷物を受け取りホテルへ移動する。宿泊はしないが今日のこの予約はしてある。
「愛実、このドレスを着て」
荷物のうち愛実のものを日本人スタッフに預ける。
「俺も着替えてくる。ゆっくり綺麗にしてもらえ。任せておけば大丈夫だ」
「うん、じゃあ…後で」
ドレス、気に入ってくれればいいが…そう思いながら俺もタキシードに着替えポケットにDiamante Kaiの箱を入れた。部屋を出て愛実がスタイリングしてもらっている部屋の待合室で水を飲みながら彼女を待つ。
「お待たせ致しました。こちらへどうぞ」
スタッフについていくと
「愛実…思った通り、綺麗だ。思った通り…女神」
「…悠衣…」
俺の選んだギリシャ神話の女神をイメージするような、胸元は深くカットされているが幅広くは開いていないエレガントな純白のドレス。ハイウエストで切り替えがされてる他は極めてシンプルな…
「これって…ウェディングドレス…よね?」
「気に入った?」
綺麗にメイクされた頬を更に色づけ、コクンと頷く愛実の手を取り
「行こうか?」
ゆっくりと一歩踏み出す。
「どこへ行くの?」
「屋上のプールサイドで写真を撮ってもらう。フォトウェディング…写真だけいいだろ?俺のために着てくれたドレス姿、残したいんだ」
「…うん」
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