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低くて艶っぽい声色に、胸がどくんと高鳴る。この声、この香り、私は知っている。一体どこで?
「おや、もしやあなた様と私は異性に見えますか? これは失敬」
両手は自由となり、店主は離れる。
「さあ、参りましょう。私の自慢の品をご紹介致します。こちらキラキラパァツ専門店、ショォケェスでございます」
どこにあったのか、薄暗い中の大きな布をバサッと取り払う。
「わあ……!」
目も口も開いてしまうほどショーケースの中の石は優しい光を放っていた。光源もないのに、こんなにも柔らかく、しかし力強い輝きを見たことがない。西瓜サイズから爪のサイズまで大小さまざまだけど、電気とも星ともきらめきが違うのだ。強いて言えば月だろうか。
「素敵ね」
店主は満足そうに「でしょう」という。
「それで、お客様はどこをキラキラにしますか? 瞳はいけません。先ほどの輩、あ、昼間の世界では獣に間違われてしまいますからね。初めてのお客様、特に昼間のお方へおすすめは爪か歯ですが――」
「いいえ」
ショーケースを覗きこんでいた身体をくるっと返し、店主をじっと見る。
「私、そっちのお客じゃないんです」
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