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カレンダーの日付は、２月１日──
そうだ、思い出した。明日２月２日は、『ゾロ目で縁起がいいから』という理由で、父が母へプロポーズをした日で、『ゾロ目で縁起がいいからだなんて、いかにもあの人らしいわよね』と、以前に母が楽しげに話して聞かせてくれていた。
「大事な話って、なんなのかしらね？」
少女の様な無邪気な笑みを浮かべて言う母に、
「きっと、とってもいい話だと思うよ」
そう笑って返した──。
母は昔のことをよくは覚えていなかったけれど、亡き父との過ぎ去った思い出をもう一度辿れるのなら、それはとても幸せなことに違いないように感じた。
「……ありがとう。とってもきれいだわ。これならきっと、あの人も喜んでくれるわね」
結い終えた髪を手鏡に映すと、父と約束をしたその日を夢見て、母は嬉しげに微笑んだ……。
終わり
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