1.2月14日

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 しばらく窓の外を気にしていた浩志だったが、やがて席に戻ると、優から課題を取り上げた。 「ところで、お前、何しに来たんだよ?」  進んでいない課題を見られ、バツの悪そうな浩志の質問に、優は当然のように軽く答えた。 「補習で残されてるって聞いたから、帰る前に様子見に来てあげたのよ。進んでないんじゃないかと思って」 「……よくお分かりで」  浩志はそう答えると、再び課題に向き合う格好をした。  しかし、彼一人では解決できるはずもなく、結局彼女の力を借りるしかなかった。  2月の空は、すぐに陽が落ちてしまい、浩志が課題を終える頃には、外は夜を迎えようとしていた。  職員室で待っていた担任に課題を提出すると、二人はようやく帰路につく。 「そういえばさぁ、さっき部活中に聞いたんだけど、蒼井ちゃん、彼氏いるらしいよ」 「そりゃいるだろ。大人なんだし」 「しかも、その人と結婚するんだって」 「ふ~ん」 「何よそれ。興味なさそうな返事」  優は、浩志の態度に不満を口にしたが、話題は中学男子の興味をそそるものではない。実際、浩志には興味のない話だった。  しかし、優はそんな彼を相手に、その後も、恋愛やら結婚やらについて楽しげに話し続けるのであった。
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