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これがあたしと音無くんの出会い。
その日からあたしは、音無くんに嫌な顔をされても、放課後図書室に毎日訪れた。
初めは帰れと言っていた音無くん。邪魔だと言われて歌ってくれなかった。でも諦めたのか何も言わなくなったね。
「歌わないの?」
「……君が感想とか言わないでくれるなら、いつも通り僕は歌うけど」
こうして放課後、図書室での音無くんの歌を聞くことが日課になった。
アコースティックギターを家から持ってきて、図書室でいつも弾き語りをしている。
でもどれも知らない曲。
それもその筈。
音無くんは自分で作った曲に歌詞をつけて、歌っていたから。
あたしはただただ音無くんの声に酔いしれて居た。
そんなある日、音無くんに言われた。
「君、音無くん音無くん、うるさい程に名前を呼ぶよね。僕自分の名前嫌いなんだよね」
あんまり呼ばれたくない。そう言うんだ。
音無くん以外なんと呼べというのか。
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