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リーレンの書斎の机の上には桜の下で一緒に明と撮影した写真がその頃から飾られていた。
紅なんかは「マジ?うちのボスはロリコンなの?」といって白に頭をパーンと叩かれるのは毎度の事になった。
リーレンは体を鍛えて護身術だけでなく様々な武術を身につけ事業は上手くいき年若いが王家の中でも大きな利益をあげて資金を動かすようになっていた。
2年の歳月はすぐに過ぎて母親は王家の本妻となり18歳となったリーレンは5歳になった婚約者に合いに日本に来日する事を決めていた。
「なんかウキウキですね。」
白は心なし浮かれているように見える主を微笑ましく見ていた。
「美女に合うわけじゃないんだからさ~。」
余計な事しか言わない紅の後頭部に白の一撃が当たる。
「未来の美女で我々がお仕えする方ですよ。」
漫才のような掛け合いを無視しながら最近の明の写真を眺めながらリーレンは久しぶりに会う婚約者の成長を楽しみにしていた。
髪は長くなっているようだし話も上手く出来るようになったかと楽しみにしたいた。
東条本家には二年振りに玄関から正式に訪問する。
「リーレンかもう子供ではないな。」
東条の当主の東条清五郎は二年前と変わらない威厳を保っていた。
「ご無沙汰しておりました。」
そう言って頭を下げるリーレンを歓迎し青年の成長を素直に喜ぶ清五郎は恩人であり将来の嫁の祖父で目上だからリーレンにとって
敬うべき存在となっていた。
事業に置いても何かと相談に乗ってもらう事もあり実の父より信用できる人物で彼から学ぶことは多かった。
「君みたいな息子がいたら苦労はしなかったんだが。」
リーレンにも東条の後継者についての報告がきていた。
長男は能力的には凡庸で次男は素行が悪く問題が多い三男の明の父は優秀だが欲がなく自由な今の仕事を楽しんでいると報告があった。
しかしリーレンは解っていた明の父は家族を守る為に権力闘争には入らず穏やかな家庭を望んでいると言う事。
逆にリーレンはそれが心配だった、自分達のような家系に生まれた以上一番上に立たない限り偽りの自分でいるしかないと言う事をリーレンは身をもって知っていた。
「うちの組織から少し気になる報告があって私が直接来たのですが。」
リーレンの所に気になる動きが報告されたのは一か月前の事だ。
「誠一さん達の周りで何かありませんでしたか?」
そう聞いたのは報告の内容が聞き流せない内容だったからだ。
「今のところあいつは自由にやっいるが王の組織が何か掴んだのか?」
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