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「病院へ急ぐ、捜索をするんだ。」
紅を初め配下を動かせるだけ動かして明の捜索をした。
「主、車の持ち主は伊集院 歩夢です。誠一さんの信頼する仲間の一人です。」
白からの情報を元に冷静に考えると明は伊集院に助けられた可能性が高い。
「彼の経歴を調べろ!」
動きが鮮やかすぎる・・・訓練を受けた人物かもしれないとリーレンは感じていた同じ事を紅も指摘した。
「伊集院の動きはエージェントの動きに似ている。事情が明らかで誰が敵で味方かわからない今の状況で明さんを助けたと言えないでしょう。明さんが危険に晒されるおそれがあるから・・・。」
東条の総合病院に到着しすぐに特別室へ向かう。
清五郎は力を落とし病室内のソファーに座り込んでいた。
「二人の容態はどうでしょうか?」
良くはないのは酸素マスクで解るが・・
「リーレンよ。金があっても権力があっても何も出来ん!」
自発呼吸が出来ずに生命維持装置を切れば消えてなくなる二つの命を前に金も権力も無力でしかないと清五郎は肩を落としていた。
目立った怪我はないが煙を吸い込んでいた事で一酸化炭素中毒とアツい熱を帯びた空気を吸い込んだ為に気管を火傷していた。
ここ東条総合病院は最高峰の治療が出来る。
それでも・・・
「今晩が山だそうだ・・・明は?」
「伊集院 歩夢という男をご存じですか?」
「ああ。信用のおける男だ!元エージェントで。」
「その男がもしかしたら明を助けて身を隠しています。」
明の無事はほぼ確実となったが消えかけた二人の命は尽きようとしていた。
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