1幕3場:北沢2丁目のある喫茶店

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 休憩から戻ると同時に、またドキッとする来店があった。  空色のスカーフが目に飛び込む。 「千晶さん」  佑真の声がした。  悟の眉間に皺が寄る。 「……佑真くん、いいの? こんな堂々とカフェにいて」  千晶が心配そうに尋ねると佑真は笑顔で返した。 「大丈夫です。そんなすぐに気づかれませんから、俺は」 (よく言う)  悟は唇を嚙んだ。実績と人気があるやつの謙遜など不快だ。 「千晶さんこそ、いいんですか? 今日もヒロじゃなく矢野(やの)さんで」 「そう言わないで。あいつに弁解するの大変だったんだから」  彼女は苦笑して隣のテーブルに着いた。  また不穏な感情が湧く。
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