体験談

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おずおずと聞いてみた。 「あの…、すみません、私自分の血液型分からないんですけど…」 部屋に連れていかれ、歯医者さんのイスみたいなベットみたいな物に座らされた……ふかふか…。 私は自分の血液型を知らない。献血も血液型を知りたいから来たってのもある。 …血液型占いしたいんだもん。今まで星座占いしかできなかったんだもん。 双木さんは私の方をチラリと見て、 「あー大丈夫ですよ、今採血して確かめられるんでね、ご心配なく」 と答え、テキパキと器材の準備を進めていく。なんか合成音声のような、棒読みみたいな…感情がない声だぁ…。 「今日って朝食食べてきましたか?」 「あぁはい、しっかり食べてきました」 「体調はどうですか?」 「万全です」 「はい」 カチャカチャとパソコンを打ったり、あちらこちら移動して物を取ってきたり、意外と大変そうだった。 「それでは、採血しますね」 左腕の方を出して採決された。 全然痛くなかった。無痛ってことあるんだ。 …うわー血が注射器に吸い込まれてく…。 こういうの見れるタイプなんだなぁ私…。 「終わりました、では少しお待ち下さい」 そして並木さんは注射器を持って奥の方へと消えていった。 私はようやく一息ついた。 「うわっ!!マジで!!!よっしゃあぁーっっ‼!︎B型きたぁぁぁーー‼︎!」 お…おお??? 「最近A型多かったしーマジよかったぁーA型クセあってあんま好きじゃないからなー時間も経つからもっとすっげぇ不味くなるしーO型は逆にサラサラ飲めるから飲んだ気しないっつーかーもー満足できないしーあーよかったーB型でーっB型loveLOVEまじで好き好き愛してるわ本当もう大好物アイラブユーだってぇのー‼︎あーっあれーっもしかして今回感染症もない感じー?うわラッキー‼︎めっちゃ美味いじゃん美味い確定じゃんかついてんなー今日サイコー‼︎」 ドタドタとこちらに走ってくる足音が聞こえた。 あ、はははっ。あははははははははぁぁぁっ???? 笑い声と疑いが混じっている。こんな意味分からん声出るんだぁ人間ってぇ……あー違う、そうじゃない。そこじゃないね、注目点は。目を逸らしているだけなんだね。あれ、イスみたいなベットみたいなのが揺れてる。身体がガタガタ震えているからかなぁぁぁ??? まぁまぁ、待て待て落ち着けよ自分。別人だ、これは…これは別の人の声だ…、絶対にそう、声量とかめっちゃ違うし…本当に、いや、そうであってくれ頼む………てゆーか、奥にそんな人いるんだってなってんじゃん違うよ違う。幻聴だって今のは幻聴… 「B型でしたよ赤井さーん‼︎!本当によかったですわ‼︎!じゃあもうさっそく始めていきますねー!!」 別人じゃねぇ‼︎幻聴じゃねぇ!!同じ人じゃねぇーかぁ‼︎ 「えええっっ??!!ちょっと待って下さい‼献血する量まだ決めてないんですが??」 「あー大丈夫大丈夫ですよーこちらで判断できますので!何も気にせずどうぞこちらに‼︎」 「あ、っと、200mlとか400mlとか、そーゆーのありましたよね??」 「えーそれはもう全国の平均なんで、600mlくらいいっちゃいますねぇー」 「へ、あ、へぇぇーー??今回成分献血なんでしたっけぇ?」 「いえいえ!んな馬鹿ことをおっしゃらないでくださいよ‼︎そんな取り出してから戻すような二度手間かかる事する訳ないじゃないですか‼僕は一刻も早く吸いたブエェッフエッフェッ一刻も早く血の足りない全国の人、国民へ届けたいんですよ‼︎!」 「ほえーーーっ」 うわー絶対化け物じゃんかこの人、てか人でもないんだっけこの場合。ねえめっちゃテンション高いじゃんか、おいおい。 突然、腕がひやっと冷たいような感覚。おそるおそる…と左腕を見る。 いつの間にもう腕に何か取り付けられていた……へぇぇ!?!いつの間に何か取り付けられてる!!?‼︎手際は良いんだねやっぱり?‼︎ 「それではいきますねぇー!!!」 「ぎゃああああああああああああっ!!!!!!!」 感想 ・自分の血液型はB型だった。ずっとO型だと思っていた。 ・悲鳴出すほどそんなに痛くなかった。後になってなんか恥ずかしくなった。 ・終わった後の苺のハーゲンダッツはとても美味しかった。涙が出た。 ・今度はここじゃない別の献血ルームに行こう。
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