【それぞれ】

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パーカーにジーパン姿の香澄が、店から出てきた。 香澄は、バッグから携帯を取り出し、電話をし始めた。 「やはり、私の思った通りだったわ、気付かれないように、引き続きお願いね」 「えぇ、そうよ、あの二人の間には、必ず何かあるの。えぇ、じゃ、私はあっちで調べてくるので」 携帯を閉じた。 電話先は、ある探偵会社だった。 そしてその後、長いメールを打ち、送信した。 送信先名は、週刊誌の編集者らしき人物の名前になっていた。 (早くこんな生活から抜け出してやる!) 香澄の心は、いつからか荒んでいた。 それは、亮が売れ始めた時からだった。 香澄は、お金が欲しかった。
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