結衣子の部屋

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「誰も聞いてないんだし、普通に話してよ。」 「……わかった。聖くん、牛乳たっぷり入れるよね?」 「うん。ありがとう。」 ここは私の母校だけど、坂上先生、こと、聖くんにとっても母校。 この学校、職員の大半は、卒業生だったりする。ちなみ、現在の校長は、私の6年生時の担任。教頭は入学した時の担任だ。恩師が上司。一見、ややこしそう…と思われそうだけど、ここでは結構普通。 聖くんは私の2つ上の先輩。私が幼稚園の年少の時、年長さんだった。20年以上の付き合いになる。 さっきのはそう言う意味。 私の父がこの小学校の歯科検診を一手に引き受けている校医の枚岡先生。 母は虫歯ゼロ週間の歯磨き指導をしている麻衣子先生。 私は保健室の結衣子先生。 子供達だけでなく、先生方からもそう呼ばれている。 いつも私と光太郎は、保健室で母の仕事が終わるのを待っていた。それが今の仕事に繋がっている。 “保健室の先生”に憧れて、迷うことなく養護教諭の資格を取った。
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