1916人が本棚に入れています
本棚に追加
/175ページ
幼馴染との日常
「結衣子先生、この段ボールどこに置きますか?」
同僚の三隅先生が、薬品や絆創膏の詰まった段ボール箱を肩に担いで入ってきた。
「あ、すみません!
棚の前に横並びでお願いします。」
私、枚岡結衣子(ひらおかゆいこ)、25歳。大学卒業後、母校であるカトリックミッションスクール聖堂館学園小学部で、養護教諭をしている。
2泊3日のサマーキャンプ。養護教諭として同行し、やっと学校に帰ってきたところだ。
「あと2箱も持ってきます。」
「結構重いんですよ。助かります!」
たったの2泊3日。5年生は98名。
しかし、準備する薬品類はかなり多めに箱に詰めた。ポイントハイクに川遊び、今流行りの巨大アスレチックも体験する3日間。どうしても怪我人が増える。
「今回も怪我人、多かったですねー。」
「はい。でも、今年は大怪我がなくて良かったです!」
そう。
昨年は骨折した児童がいて、近くの総合病院まで付き添い、保護者に迎えに来てもらう、といったトラブルがあった。元気に遊んでくれるのは結構なことだが、怪我は最小限にしてもらいたい。子供達の楽しい思い出作りのためにも。
最初のコメントを投稿しよう!