結衣子の部屋

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結衣子の部屋

週明けの月曜日。子供達は短縮授業。今週末には1学期の終業式を迎える。 段ボールの梱包解き。サマーキャンプ中の連絡ノートのチェック。使った薬品類の発注。 仕事は山積みなのに、熱中症患者が次々と運ばれてくる。ベッドは二台しかないから、床にマットを引いて対応するしかない。幸い、どの子も経口イオン水を飲ませたらすぐ回復する。良かった。 子供達が下校し、やっと落ち着いた頃、またお客さんが来た。 「結衣子先生、お疲れ様。 アイスコーヒー飲ませてよ。」 入って来たのは5年生の担任、 坂上聖(さかのうえしょう)先生。 「ここ、喫茶店じゃないんですけど。」 「え、俺と結衣子先生の仲じゃない。」 「誤解を招くような言い方はやめてくださいね。」 「《結衣子の部屋》はみんなの憩いの場じゃない。校長や教頭だって、ここでコーヒー飲ませてもらってるの知ってるよ?」 「……わかりました。」 今から遅いお昼ご飯なのにー。結局言い負かされる。 「私、今からお昼なんです。坂上先生、もう食べました?」 「うん。三隅先生と山下先生と。」 気にせず食べてねー。と言う。
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