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暑さにやられている私に天ぷらはキツい。素麺だけいただこう。
「先にシャワーに行ってくる。
汗流さないと、食べる気しないわ。」
「脱衣室、クーラー付けてるわよ。」
母、なんて気が利くんだ!
それは最高だ。
私はウキウキしながら、お風呂場へ向かった。
「最高だったぞ。涼しい脱衣室からの熱いシャワー。お前も早く行ってこい。」
「……。」
うちで先に浴びたのか…。まあ、いつものことだ。
熱いシャワーを浴び終えて、ダイニングに戻ると、亮平はまだ天ぷらを食べていた。
「あー!疲れた〜。」
目の前に置かれた麦茶を一気飲みし、やっと落ち着いた。
さて、素麺だ。
「お母さん、大葉とササミだけでいいよ。暑さで食欲ないの。」
「え、揚げちゃったわよ。」
非難がましく母が言う。
「あ、おばさん、それ俺が食う!」
「そう?」
亮ちゃんは育ち盛りだものねぇ。と、すぐご機嫌に。亮平の母扱いは抜かりがない。
「あ、そうだ。地酒。
途中のドライブインで買ったの。
お母さん、冷やしといて。」
「あら、お父さん喜ぶわ〜。亮ちゃんも呑むわよね?」
いや、それは父が拗ねるから!
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