巡るメッセージ、舞い降りる空。

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「嫌がらせか!あんのバカ娘」  必死で涙をこらえている最中、スマホが震えた。TwitterのDM。樹里愛だ。 『見た?合わせてハハハパパ。母はパパ。パパは母。面白いでしょww(°▽°)ww』  もう無理だ。俯いて涙を流す卓史。ねじれた関係のまま逝った母をネタに自分への想いを伝える、生意気で健気な娘。母の故郷でその死と向き合えたのだろうか。  さらに、DMが的確に追い討ちをかける。 『あたしには母はパパなんだから、絶対いなくなんないでね。約束だよっ?消えたら卍印に植毛しちゃうからね(*´ー`*)』  あいつ…今夜は折檻だと誓いながら、卓史はギュウギュウ詰めの通勤快速と準急を4本やり過ごす。ベンチに座り写真を眺め、樹里愛の足跡のサイズの違い…娘の成長を見比べながら、周囲を気にする余裕もなく顔を覆って泣いた。  ふと、今日は樹里愛の好きなあの店のストロベリータルトでも買ってってやるかなどと、珍しく気の利いたことをぼんやり考える。そしてホームに滑り込んできた比較的空いている各駅停車に乗り込み、呟いた。 (ゆっくりでいいよな、美都)
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