手紙。

1枚目

　腹の立つことがあった。授業で真後ろに座っていたやつらが九十分間、ずっとおしゃべりをしていて、授業に全然集中できなかった。一年生のときから興味があった科目だから毎回楽しみにしているのに、やつらのせいで台無しだ。受講生が多い講義だからそういうやつらもいるのはある程度理解しないといけないが、僕とやつらは全然違う。僕は真面目にそれを学ぼうとしているが、やつらはただ単位が欲しいだけ。生憎、担当の先生は出席していれば単位をあげると宣言してしまっているから、彼らは毎回九十分間暇を潰していれば単位がもらえる。ああ、どうしてやつらと同じ講堂で学ばなければいけないのか。真剣に考えていると講義が終わった。
　僕はさらに腹が立った。今度はやつらではなく先生に、だ。先生は彼らに対しての注意を一言だって言ってくれなかったのだ。先生は意欲ある学生ではなく遊ぶ妨害者の味方らしい。
　抗議しようか。でも、たった一言で雰囲気が崩れてしまうことを警戒して先生は行動しないという選択をしているのかもしれない。そう考えると僕も行動しないという方がいいと思ってしまうが、これはただ勇気が出ないだけなのだろうか。