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「ここ、なんかへんだな」
俺の呟きを聞いて、ミチルが飛んできた。
「ここだよ。ナイス」
ミチルが俺の尻をバシッと叩いた。
叩かれて二、三歩進んだ俺は、嫌な予感がしてミチルに振り返った。
「え? また俺が前を歩くの? やだよ」
俺の言葉を聞いて、ミチルが後ろからグイグイ押してきた。俺は抵抗した。
「行けよ」
「やだよ」
「怖すぎ」
「しらねーよ」
俺は本気でミチルを振り払った。
「お前、さっきから俺の後ろに隠れやがって! ズッコイんだよ!」
怖さが苛立ちとなり、俺はミチルにマジギレした。
「隠れてねえよ! 俺は俺で秘策を仕込んでいるんだよ!」
ミチルは俺にキレ返してきた。
「なんだよ、秘策って」
俺はミチルの迫力あるキレ返しに少したじろいでいた。
「チッ、ココでネタばらしか」
ミチルはそう言うと後ろの木の根元にしゃがみこんだ。そうして
「オエ」
と先ほどから繰り返している唸り声を上げた。
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