夜が明けたら、君に

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「おぎゃあ」 「おめでとうございます!」 「おぎゃあ」 「男の子ですよ~」 「おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあ」 「元気なお子さんですね!」  ずっと暗闇の中にいたせいか、外の世界は眩しくておぼろげにしか見えない。  抱きかかえられたと思ったら、ふっくらとした唇が頬にそっと触れた。  あの日タクシーに乗り込もうとした俺にくれた、忘れることのない感触。  ごめんね、長い間待たせて。  ずっと会いたかった。  もうどこかになんて行かないから。  ずっと一緒にいるから。 「おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあ」  俺は話し続けた。  最後に会ったときより随分と大人びた、涙を流し微笑んでいる、君に。
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