待ち人よ 届かぬ熱を 燃ゆるほど

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待ち人よ 届かぬ熱を 燃ゆるほど

待ち人よ 届かぬ熱を 燃ゆるほど ー春花の場合ー 母(恭子)から聞かされた再婚話し。 嬉しそうに話す姿は「女」だった。 優しく、凛とした美しさを持った自慢の母。 母が選んだ相手なら、誰でも頷くだろう。 再婚相手に子供がいても、然程気には留めなかったー。 兄弟が出来る、兄と呼ぶ人が出来るのだと漠然と考えていた。 会食で初めて会った時、もう恋は始まっていたのかも知れない…。 自分が持っていないモノを全て持っている気がしたー。 憧れが眩しくて…恥ずかしさを隠したかった 一緒に住み始めて、気遣いを互いに見せる。 ぎこちなくて、むず痒い。 そんな、もどかしさも嫌いじゃない。 ある日、突然それは訪れたー。 予期せぬ「愛の告白」 本当は嬉しくて… 嬉しくて… 世界で一番、自分が幸せだと勘違いしそうだ その手を取って、逞しい胸で羽根を休ませてくれる。 太陽が出て晴れたら羽ばたかせて 嵐が来たら守ってくれた いつまでも、こんな日が続くのだと信じて疑わなかったのに 今はそうじゃないー 子供だけど、子供じゃない 抱かれてよがったあの日から 2人の事を考える 側に居てもいいのかと… 何も知らず、何も考えず 差し出された手を握りしめられたら 苦しまずに済むのかー。 自分勝手な心で気付かないフリをして 体を重ねる度に増えていく 罪悪感 子供を成さないこの行為に意味はあるのか… きっといつか、素敵な女性が現れて 「結婚するんだ」と嬉しそうに両親に紹介する日が訪れる 僕と過ごした「恋人」の日々は 夢物語のように一瞬で2人の記憶から消えてなくなるー。 愛してはいけない人を愛してしまった 罪と罰 そっと思いを馳せながら瞳を閉じる ツーっと一筋の涙が流れてく… 笑顔で「おめでとう」って言えるように 伝えなきゃ…自分から離れる事を… 花びらが一枚、一枚、落ちてくように 2人への思いを手離して行くー 「初恋は叶わない」 正しくそうだね 笑いながらー 涙ぐんだ ー
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