母(恭子)の再婚

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義理父の言葉に反応して次男の悠(ゆう)が笑顔で話し掛ける。 悠 「うん。俺も可愛いから女の子だと思っていたよ。ごめんね?でも、弟が欲しかったからとっても嬉しいよ♪」 斗真(とうま)も続いて話す。 斗真 「恭子さんは以前から会っていたから、お子さんが居るって教えて貰った時は、どんな子なんだろう?って楽しみにしていたんだ。 恭子さん、とても美人だし色々と想像していたんだけど想像以上に可愛くてびっくりしたよ。」 2人の笑顔も伝えられる言葉も全く嫌味が無く、ただ本心で言っているのだと分かる。 本当に春花は可愛いのだ。 母親に似て二重の目は大きく睫毛も長い。 艶がありサラサラの髪は思わず手を伸ばし触れてみたくなる程だ。 本人からしてみれば毎日、鏡で自分の顔を見ているがカッコいいとは思わないものの、まさか『女の子』に間違われるなんて思いもよらず戸惑う。 そう!自覚が無いのだ。 だから、可愛いと言われても男だから春花の心中は複雑な思いでざわざわしていた。 春花 「有難うございます? これから、宜しくお願いします。」 斗真・悠「勿論。色々と宜しくね。」 斗真と悠が秘かに牽制(けんせい)し合う。 2人の瞳の奥の欲望は静に燻り始めている事を誰も知らない。 『俺の物にしたい…。』 義理父と母は3人のやり取りに目を細めて微笑ましく眺めるのであった。
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