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待ち人よ 届かぬ熱を 燃ゆるほど
ー悠の場合ー
父の再婚相手、恭子が連れて来たー
女の子のように、可愛い容姿に目が釘付けになった。
始めは子犬のような感覚だったかもしれない
コロコロと変わる表情に面白さを感じ興味が湧いた。
次第に母性愛に近い「慈しみ」と「雄」の部分が入り雑じり、自分でも知りえない感覚に襲われた…
一緒に住み、手の届く所に来ると触れてみたくなった
自分の気持ちと相手の気持ちを確かめる為に
触れて後悔したー
胸の高鳴りに「恋」だと知らされる
まだ、幼さが残る少年に…だ
この子も俺を好きになってくれるだろうか…
女性には不自由した事は無い。
いつも、向こうからやってくる。
中途半端な優しさ程、残酷なモノは無いー。
温度がない言葉で断ってきた。
ベッドの上で愛を囁いた時
否定されるかもと、恐怖を初めて感じたー
小さく頷く仕草に、愛しさを感じ
一生、離さないと誓う
素直で 可愛いくて いやらしくて…
もっと俺を欲しがって、自ら乱れる程に
愛して欲しい…
大学の校舎から君を見る…
笑顔を回りに振り撒くー
『俺以外に笑いかけるな…』
じゃれて抱き合うー
『触るな…俺のモノだ…』
こんな嫉妬心を知ったら、どう思うだろうか
笑う、かな。
冗談でしょ、と信じないだろう…
笑うなよ。
俺は本気なんだ
君の未来を考えれば、手を伸ばしてはいけないと分かっていた
我慢出来ない程に欲しかったー。
未来ごと全部、守ってやる…
だから、どうかー 信じて欲しい…
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