ー 2年A組というコト ー

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ー 2年A組というコト ー

一日の授業を終え、解放された午後。 教室の中は授業をやりきった達成感で羽根を伸ばす生徒達。 ガヤガヤと騒ぐ話し声が、どの教室でも響き渡っている。 議長 「えー、そのままで良いので学園祭について話し合いたいと思いまーす。」 夏の暑さも和らぐ頃、10月の学園祭の出し物がクラスで話し合われる。 ザワザワと皆が話しをしている中、議長が黒板に議題を書くー。 担任 「あー皆、静かに~。 去年、1年A組だった生徒は知っていると思うが【A組】は学園祭に関しては「お題」が設けてある。 2年A組は【メイド喫茶】となっているからな。」 一斉にドヨメキが起こる。 文句を言う者や笑っている者、様々な文言が飛び交う。 担任 「皆の気持ちは、分からなくは無いが、これは創立から代々受け継がれて来た伝統だ。 どんなに抗議をしても、変える事は出来ないからな。 先生が決めた事じゃ無いからな、そこの所よーく覚えといてくれよ。」 また、教室がざわめき始めたー。 担任 「じゃ、議長はこの話しで進めてくれ。」 議長 「では、出し物はメイド喫茶に決まりました。 メイドとウェイターに分けたいと思います。 」 自己申告制にすると、メイドさんはゼロ。 ま、当然の結果だ。 議長も困っていた… そこで先生が助け船を出す。 担任 「うーん。これでは決まらん。 衡平性を考え、くじ引きにする!」 「うわー」や「え~」などの声があがる。 議長が担任に言われた通り、くじ引きを作成した。 箱の中に入れられた4つ折りにされた小さな紙。 右端の先頭から順番に回され、クラス全員にくじが行き渡った。 担任「全員に行き渡ったな。 開いて確認してくれ。」 生徒達が一斉にくじを開く… わーっと歓声や落胆の声が混ざり合う。 生徒A「セーフ!マジ、あっぶねぇ。」 生徒B「俺もウェイターだ。良かった~」 生徒C「終った(泣)…もう、お婿に行けない…」 などなど、教室は大変な騒ぎである。 ちなみに春花はと言うと… 和希「俺、セーフだったわー。 死ぬかと思った、春花は?」 春花「僕は…死にました。」 和希「えっ、マジ!! 春花、可愛いから絶対に似合うって!」 春花「嬉しくないし…」 担任「皆、確認したと思うが。 それぞれ、メイドさんとウェイターに別れて服装をどうするか決めてくれ。 議長、皆が出した案を黒板に書き出してくれ。」 議長「分かりました。 皆さん、別れて話し合いを始めて下さい。」 輪になって話し合いをする。 その中の一人が、メモを取って書き出す。 あ、ちなみに議長はメイドさんでした…。 話し合いが終わり皆が席に戻る。 議長が渡されたメモを見ながら黒板に書き出した。 ウェイター(服装) ・バーテンダー風 ・浴衣 ・タキシード 挙手を取り、正の字を書いていくー。 議長 「では、ウェイターの服装はバーテンダーに決まりました。」 今度はメイドさんの服装を決める。 同じように黒板に書き出す。 メイドさん(服装) ・巫女 ・白と黒のスタンダード、メイドさん ・あの、人気喫茶店の服 ・腰蓑(コシミノ) 挙手を取り、正の字を書いていくー。 議長 「では、メイドさんの服装はあの、人気喫茶店の服に決まりました。 明日の放課後、採寸をします。 忘れないようにお願いします。 これで、議会は終わります。」 ガヤガヤと騒がしく生徒達は下校した。 『はぁー、もぅ。』 ~ クラス全員の採寸をして発注をかけた。 一週間後、出来上がって届く。 係の生徒 「皆さんの名前が記入してあります。 各自、取ってサイズを確認する為に着替えて下さーい」 順番に並んで自分の衣装を取って行く。 制服を脱ぎ、着替える。 和希「どうだ? 似合う?」 春花「わー、カッコいい!似合うよ!」 バーテンダーの服装はー 白いYシャツ×背中が開いたホルターネックの黒ベスト・スラックス×黒のネクタイを合わせて、膝下までの黒の腰エプロン。 背が高くて爽やかイケメンの和希に良く似合っていた。 和希「ありがとう。 春花に言って貰えると嬉しいよ。 ねぇ、早くメイド服、着てみてよ。」 春花「う、うん。…着てみる…」 するりとネクタイが外される… シャツのボタンが上から順番に外されて少しずつ、胸が開いて乱れて行く。 全て外れて上半身裸にー。 次にベルトを外しスラックスを取り去り下着一枚となった。 『前にも増して、色っぽい…』 メイド服を着て行く。 白のオフショルダーブラウス×ふわりと控えめな膨らみの半袖。 スカートはAラインのフリフリミニ!・ハイウエストに胸を強調するような、デザインのホルターネック。 色はタータンチェックの明るいオレンジ。 ストッキング素材で白のニーハイソックス。 もふもふの猫耳が付いたメイドさんカチューシャを頭に装着。 春花「えぇーっと、どうかな?」 恥ずかしそうに上目遣いで聞いて来る。 和希「か、可愛い…!!」 我慢出来ずに抱き締める。 しっかり、目に焼き付けて「今晩のオカズ」となりましたー。 メイドさん担当の生徒、一人が箱の中にまだ、袋が残されているのを見つけた。 開けて中を確認すると…! 小さなフリルが縁にあしらわれた、女性物のパンティとブラジャー。 生徒「なに、これ!!? ちょっとー!女性用の下着が入ってるんだけど!」 生徒(係) 「あーそれね。 スカートがミニでしょ、トランクスが見えるし、ブラウスも白だから裸が透けて見えるんだ。 当日はメイドさんは着けてね~。」 メイドさんの生徒全員、思ったに違いない。 衣装の選択をミスった。と… ~ 春花の自室 夕食と入浴を済ませ、勉強中。 時計を見ると22時過ぎ。 「そろそろ、寝ようかな。 その前に、のど渇いた…」 キッチンに降りてコップの水を口に含みながら辺りを見渡すー。 ソファーに誰かのスーツのジャケットが置いてあった。 何気に取って抱き締める…義理兄がいつも、付けている香水の香り。 そのまま、ソファーに横になり両親が旅行から帰って来てから、久しく接触がなかった不安と寂しさから目が潤む。 そのまま、大好きな香りに包まれ、安心してしまい眠ってしまった…。 ガチャ… バスルームから上がってきた、上半身裸に首にタオルを掛けて入って来る。 置きっぱなしにしてあった自分のジャケットを持って部屋に戻ろうと思い、ソファーに近づくと… 胸に抱き締めて丸まるように眠る春花の姿。 『意地らしい…泣いたのか?睫毛が濡れている』 そっと、肩を揺らし起こす。 「風邪引くぞ。」 「うーん…」 目を擦りながら上体を起こすとジャケットの持ち主が隣に座っていた。 「あ…斗真さん、お帰りなさい…」 「ああ。 俺のジャケットを抱き締めて、泣いていたのか?」 図星を指され、途端に恥ずかしくなり慌てる 「いや…えーとっ、その…」 「寂しい思いをさせて、すまん… ずっと、こうやって触れたかった。」 腰を抱き締めながら、キスを重ねる。 舌と舌を絡ませて春花も求めるように深く唇を合わせる。 「んっ…ん…はっ…あっ」 唇をそっと離して見つめ合う… 「これ以上は、駄目だ。 家族が居るから…」 「あ…うん。ごめんなさい。」 俯(ウツム)く春花の両脇を抱えて膝の上に乗せて向かい合わせに座らせ、熱く立ち上がった自身をグイッと体に密着させて耳元で囁く。 「分かるだろ…俺も今すぐ、欲しい…」 「あ…っ」 「今週末、2人でちょっと遠出のドライブに行かないか。」 「それってー」 「デートだ。駄目か?」 「うん。嬉しい…」 何処に行くのだろうと、週末をワクワクしながら眠りについたー。
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