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辺りが暗くなる夕暮れ時。
ドアを軽くノックする。
母「春花?」
春花「……」
母「入るわよ?」
ドアを開け中に入る。
窓から射し込む夕暮れの光に包まれた部屋。
荷物の片付けを終え、整理された辺りを見渡す。
壁際のベッドで「スースー」と寝息を立てて横たわる、愛しい我が息子…。
縁に座り、優しく息子の髪をかき上げ静かに起こす。
母「春花…起きなさい。夕食の時間よ。」
春花「あ…。うん…今、行くよ…。」
ヨロヨロと立ち上がり母に促され後ろを付いていく。
ダイニングテーブルには鈴木さんが作ってくれた美味しそうな料理が彩り良く並べられている。
義理父
「さぁ、春花君座って。一緒に食べよう。
鈴木さんの料理は旨いぞ。」
母「温かいうちに頂きましょう。」
義理父・母・春花「頂きます。」
和やかな食卓風景…。
幸せにな2人を見て次第に緊張が溶かれて行く。こんな穏やかな日常が続くのだと見つめていた…。
母「春花、聞いてる?」
春花「え?何?母さん。」
ずっとラブラブな2人を前にしていたもんだから、会話はあまり入って来ず黙々と食事をしていた。
母
「あのね?秀二さんと明日から一週間、新婚旅行に行って来るから。」
春花「え?そんな、、急に?」
母
「急じゃないわよ。いやねぇ。
前に話したじゃない。引っ越しをしたら新婚旅行に行くから、斗真さんと悠さんに貴方の事をお願いしてあるからねって。」
春花はフリーズしている。
母は全く気にする様子は見せずルンルン気分で話を続ける。
母
「ちゃんとお土産は忘れずに買って来るから安心してね。」
義理父
「鈴木さんは基本、土日はお休みだから、お腹が空いたら冷蔵庫にある物は好きに食べていい。
斗真と悠には春花君が、まだこの家に慣れていないからなるべく一緒に居てあげるように。と伝えておいたよ。
お土産、期待してて。(ウィンク♪)」
『お土産の心配なんかしてないよ〰️!
緊張するから居てくれない方が良いのに。』
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