1.少し戻って『中学二年』、彼女のいない頃①

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1.少し戻って『中学二年』、彼女のいない頃①

学校からの帰り道、綺麗な花が目にとまった。 そこは花屋で、沢山の花が咲いていた。 だけど、僕の目はその中の1つにだけ集中していた。 その花はピンクっぽい色で、なんとなく桜を連想させる見た目。 周りには赤色や青色なんかの花が咲いて、ピンクっぽい色の花を目立ちにくくしている。 でもそれが逆に良かった。 目立たなくても、主役でなくても、そこで他の花と同じくらい綺麗に咲いていたから。 僕はその花の名前を知ろうとした。 だけど、漢字が読めなかった。 二文字で『月』が入っている花の名前、月ぐらいは流石に読めたがもうひとつが読めない。 店員さんに聞けば分かるのだろうけど、僕はそれが出来なかった。 特に買うつもりはなかったし、お金自体持ち歩いていないのに、名前だけ聞いて帰るのは失礼な気がしたから。 今度、ネットか何かで調べようか。 そんなことを思って、その日は花屋を後にした。
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