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こうなる前に最後に覚えている記憶でも思い出そう。 こんな状況なんだ。 出来ることは脳を動かす事しか出来ないし。
そう私は、死んだはずなんだ。
病に倒れ、よっぽど重い病気だったのか、そのままぽっくりと逝ってしまった筈なんだ。 記憶は曖昧だが、白衣を翻し現れた人間からの御臨終です。 の言葉が最後に耳に残っている。
そうか。 あれから、どれくらい経ったのかは分からないが死んだ後に来るのは、天国でも地獄でも三途の川や現世を彷徨うのではなく、きっと訪れるのは宇宙なのだろう。
そう私を感じさせたの、今は宙に浮いているからだ。
真っ暗で何も見えないから、もちろん明確ではないけれども、感覚が告げている、私の身体は浮遊しているのだと。
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