悪魔の笑顔

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悪魔の笑顔

「ねぇ、覚えてる?」 そう聞いてきたのは菅山優子(すがやまゆうこ)。僕の彼女である。 ただ、いきなり脈絡無くそんな事を言われてもわかるわけがない。 「もっと質問するなら、具体的に言って欲しいな。抽象的過ぎてわからない」 「……今日は6月13日だよ」 6月13日と言われてふと思い出す。 それはとても嫌な記憶。 その記憶を忘れたいと毎日思い、厳重に心の中に閉まっておいた。 たがそれもこの日だけは思い出してしまう。 なぜ6月13日が僕にとってこんな日になってしまったのか、それを説明するには今から2年も前に遡らなければならない。
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