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傾き始めた陽の光が、「六連星-muturaboshi-」の出入り口を照らし出す。
逢魔ヶ時、か……
頭の片隅でそう考えながら、ドアの鍵をかける。うん、戸締まり良し。
「お待たせ、陽子ちゃん。じゃあ行こうか」
「うん……」
元々大人しめな性格の彼女だけど……今日は特にその微笑みに力がなく、“光”はなかった。
まぁ、無理もないか。あんな悩みを抱えているんだから……
そんな彼女の元へ寄り添い、自分が経営している小さな喫茶店を後にした。
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