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アリノブ君はおもむろに立ち上がって部屋の窓を開けて、僕に外を見るように促した。
「あ、自転車」
総二階建てらしいこの家の表側はお店になっていた。覗き込むとプラスチックの看板が掲げられているのが見える。
店先に綺麗に並べられた数台の自転車がさっきの雨にぬれてきらきらと光っている。
「うち自転車屋なんです。一台どうですか?」
いきなりセールスされた。
「カツと同じく、30%オフにしときますよ?」
アリノブ君のクールな眼差しが和らいだ。
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