エンドレス・タイム

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僕はなるべく言葉を選んで、彼女に向き直った。

「今日は、梨花さんがお見舞いに来始めて1年の日…で当たってますか？」

「ピンポーン！せいかーい！」

満面の笑みでそう答えられ、僕は胸をなで下ろした。今日の僕に取っては初対面の人だけれど、何処か懐かしいと思う。

この人は僕の何なのか、それはどうしても話してくれないらしい。4日前の僕がそう書いている。けれどそれは4日前の話。今日は、違うかも知れない。

「あの…1つ聞いても良いですか？」

「なぁに？圭太(けいた)？｣

隣の椅子から前屈みになって、耳を傾けてくる彼女は可愛らしい。僕を名前で呼び捨てしてくるという事は、それなりに近しい人物なのは間違いないだろう。深呼吸を1つして、僕は聞いた。

「梨花さんは…僕にとって、どういう存在なんでしょうか」

途端に彼女から笑顔が引いた。能面のような真顔とは、この事なんだと実感する。心臓がバクバクと脈打っているのを感じながら弁解しようと口を動かすと、彼女から声が漏れた。