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「私は…私は学級委員長で、圭太はクラスメイトの1人。それだけ、それだけだよ」
泣きそうな顔でそう言われても説得力が無い。それだけを言い残し、梨花さんは病室から出て行った。それ以上は聞いて欲しく無い、という拒絶だと思った。
僕はドアを暫く眺めてから、手帳に今日の日付と出来事。そして
『梨花さんは僕のクラスの学級委員長』
と記した。
前向性健忘症。手帳にあった言葉を借りると、その日の記憶が1日しか持たないという病気らしい。
きっと明日の僕も同じ事を聞いてしまうだろう。そう思いながら、瞼を閉じた。
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