起し太鼓

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起し太鼓

その年の春は、祝い事ばかりで出費がかさみ 「もうこれ以上やってられないわ…」 と、爺さまに愚痴ると 爺さまが言うには 「太鼓は鳴る打ち鳴らしとけ」 と言って“こずかい”をくれた。 私は、それを持って一升瓶を買いに走り 神輿を担ぐ旦那衆に振る舞った それを契機に大太鼓はさらに大きく鳴り響き 春の訪れを告げた。
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