『曇天に苦渋の花開く』

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『曇天に苦渋の花開く』

3c07134e-34fa-4912-8f56-27e1381782d5 「君は何を想って夢を語るか」 青い種がそう聞いた 「たぶん明日を想って夢を描く」と僕は答えた  種は2度鼻で笑って土に埋もれ  それっきり何も聞かなくなった  曇天は続くが雨は降らない  物言わぬ種はただ待つばかり  僕が水をやらなければ  実は結ばずともせめて花だけでも  そう願いながら毎日無心で水を撒いた  時代は僕を知ろうともしない  何食わぬ顔で明日はやって来る    青い種はたくさんの花を咲かせたが  結局誰にも気づかれないまま  夢は夢のままで散っていった    
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