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10.
「十日あなたと過ごすのは彼との約束ですので」
そう言って彼女は律儀にも十日目の水曜の朝まで俺の家にいた。彼女の告白を聞いてから水曜まで俺は学校を休み、彼女と星弥と一緒によく過ごした場所を巡った。
星弥と一緒にいるとはとても思えなかったが、星弥がそこにいる氣はした。
あいつは確かに俺と生きていた。
「よかったら友達になってくれませんか」
別れ際にそう言ってくれた彼女に俺は少し驚いた。
「もちろん、よろしくね」
そう言って連絡先を交換したあと、彼女は優しく笑って帰って行った。その後ろ姿はまるでハリウッド女優のようだった。
「やっぱりお前すげぇな」
懐かしいあいつがそこにいた。
fin.
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