7人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
♯1 十秒探偵ショパン✨💕
「ねえェ、覚えてるゥ?」
石動リオは、まるで恋人のように美少年ショパンの肩に頭を乗せた。
こうして傍らから見ていると、お似合いの美男美女のカップルだ。
「……」
しかし美少年のショパンは歓ぶドコロか、石みたいに固まってうつ向いている。
額から汗が滲んでいた。
リオのことが嫌いなワケではない。むしろ好きなはずだ。
ここまでショパンとスキンシップを取った美女は、僕の知る限り彼女が始めてだ。
彼の名は西園寺初範。
僕たちは彼のコトを親しみを込めて、『ショパン』と呼んでいた。
ショパンは頭脳明晰、眉目秀麗のジャ○ーズ系の美少年だ。
しかも名門、西園寺家の御曹司だ。
普通ならどう考えてもモテモテだろう。
しかし彼は、ひと見知りが激しい。普段から無口だが気に食わない人とは決して話そうとしない。
極度のコミュ障だ。
一日に、ほんの『ひとコト』くらいしか話さない。
だが運命のイタズラなのか。
彼の天才ぶりを発揮する事件が巻き起こった。
【十秒探偵ショパン】の誕生だ。
最初のコメントを投稿しよう!