♯10

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♯10

 もはやどちらも引くに引けない様相だ。 「まず、真犯人は事前に大庭佳代さんのスマホで練炭を買った……。  自殺を装うためにねえェ」  リオはスマホのメモを読み上げた。 「ふゥ〜ン……」  麗矢は気のない返事だ。 「そして犯行日、大庭佳代さんに睡眠導入剤入りの飲み物を飲ませ眠らせたのよ!!」 「へえェ……、なるほど」  だが、この程度では想定内なのか、あまり動揺していないようだ。 「そして練炭を焚き外からカギをして密室にして出掛けたの!!」 「はァ!! ふざけるな!! なんだよ!!  それは!! 密室にして出掛けたッて!!  魔法使いなのか。真犯人は?  どうやって密室にしたのか。ちゃんと説明しろよ!!」   「キャッハハ……、世紀の大脱出イリュージョンとか!!」  水田マリアも手をパチパチと叩き、はしゃいでみせた。 「いいえ……、そんな大層なモノじゃないわよ!!  そして、頃合いを見計らって大庭佳代さんのスマホを使い、ラ○ンを送ったのよ!!  『死んでやる』ッてね!!」 「おいおい、どうやって? スマホは佳代と一緒にこの部屋で見つかったンだぜ!!  佳代の手元でな!!」  念を押した。 「それは、真犯人がドアを蹴破った後、ドサクサに紛れて篠原さんの隙をつき、スマホを大庭佳代さんの手元へ置いたのよ!!」 「おいおい!! オレがスマホを置いたッて言うのか!!」 「ええェ、そうよ。  アナタ以外に、この犯行は不可能でしょ!!」 「ぬゥ……」  また両者は睨み合った。 ☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
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