♯11 すべての謎はショパンに

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♯11 すべての謎はショパンに

 また両者は睨み合った。 「じゃ、ラ○ンは? どうやって佳代がオレに送ったッて言うンだ!!  それもオレが自作自演したッて言うのか? バカバカしい!!」  ふて腐れたように反論した。 「フフ、お隣りにいるでしょ!!  カッコウの共犯者が!!」  リオは、チラッと水田マリアに視線を送った。 「え、なによ。私?」  (とぼ)けたように水田マリアが驚きの声を上げた。 「そうよ。アナタには多額の借金があるわよね」 「ふン、それが何か?」 「麗矢(カレ)が遺産相続したら、たんまり分け前を(いただ)くンでしょ!!」 「なッ……、何、言ってンのよ!!  バカ言わないで!!」 「麗矢さん!! アナタは第三者(篠原)さんと約束し、その場に元彼女(もとカノ)の水田マリアさんを呼んで置いたのよ。  もちろん誰にもバレないように変装させてね」 「なにィ!!」 「そんなコトしてないわ」水田マリアは憮然として応えた。 「そこでアナタは、大庭佳代さんのスマホを手渡しラ○ンを送らせ、それが済むと急いで彼女からスマホを回収し、その脚で、このマンションへ戻ったの!!  篠原さんの運転する車でねェ……!!」 「ぬゥ……」 「そして篠原さんを、この部屋まで一緒に連れて来たのよ!!  密室の証人にするために!!」 「チィ……ッ」麗矢が舌打ちをした。 「それからドアチェーンを蹴破り、室内へ突入した際、篠原さんに見つからないように、スマホを彼女の手元へ置いたの!!  どう、違うかしら!!」 「ぬゥ……、それは、全部、アンタの妄想だろう!! この部屋は密室だったんだ!!  それをどう説明するんだ!!」 「そうよ!! なんの証拠もないわ!!」  水田マリアも反論した。 「うるさいわねェ……!! どうしてもバックレるつもりなの!!  じゃァ、しょーがないわ! ショパン!!  『すべての謎はいる』のよ!!」  リオは、あっさり丸投げだ。 「……!!」  ショパンも目を白黒させていた。
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