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♯6 麗矢
大庭佳代の部屋はタワーマンションの最上階にあった。
都心の一等地だ。優に数億円はする物件だろう。
玄関へ出迎えたのは婿養子の麗矢だった。
さすが売れっ子ホストだっただけあり、美少年と言って差し支えない。
多少、目つきが鋭いがアイドルのように綺麗な美少年だ。香水の匂いがプンプンしている。
セレブ女史 大庭佳代が金にモノを言わせ落としたのも納得する。
「なんだよ。まだ捜査っているのか」
元ホストの麗矢はドアを開けるなり、リオを睨みつけた。
右手の人差し指の指先には痛々しく包帯が巻かれてあった。
ガンガンと耳を塞ぎたくなるようなラップミュージックが掛かっている。
「あァ〜ら、なにか捜査られると困ることでもあるのかしら」
リオも負けてはいない。不敵に笑みを浮かべ聞き返した。
「ふン、痛くもない腹を探られて気分の良いワケがないだろォ!!」
だが文句を言いながらも諦めたのか、僕らを室内のリビングへ通した。
リビングのソファには麗矢の元彼女だった水田マリアも腰掛けていた。
彼女もアイドルのように可愛らしい。
背丈はないが、スタイルは抜群だ。バストも優に90センチはあるだろう。
ダイナマイトボディと言えよう。
しかも派手に露出した恰好だ。
健康的なムチムチとした太腿が何とも艶かしい。
「フフ、お楽しみの真っ最中だったのかしら」
石動リオは少し茶化すように微笑んだ。
「あン……」水田マリアはムッとした。
「別に……、ゲスの勘ぐりだよ。どうぞ、好きなトコに座ってくれ!!」
麗矢はドスンとソファに座った。
「そうよ。私たちはそう言う関係じゃないの!!」
すぐに水田マリアもそっぽを向いた。
「ヘェ、私は共犯関係かと思ったけど……」
構わずリオは腰を掛け二人を挑発した。
「な、なんだとォ!!」麗矢は声を荒げた。
一気に険悪なムードだ。
「まァまァ……、お二人とも落ち着いて話しをお聞かせ下さい」
慌てて、僕は両者を宥めた。
何も僕たちは喧嘩を売りに、ここへ来た訳ではない。
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