僕のリソウ

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僕のリソウ

彼の夢話 デカ過ぎるけれど 輝く目が刺激的で 生き甲斐って何だろう?  そんな僕だけど胸が苦しくなったよ 心の何処かで大きな夢に 憧れるけれど そんな大きな 人間じゃないと知ってる 才能もなければ野望もないから。 やりたい仕事なんて特になくて  生活の為のものだと ささやかに日々を過ごしているだけ  でも別に嫌じゃなくて それでも満足か? と彼、聞くけど 満足もクソもないんだから 成り上がろうろうとも 落ちぶれようとも思わない  人には理想の明日があって   彼のような人々は素敵だと思う  僕は何だろう   生活に困らなければいいということじゃ  駄目かい?  温かい食事や娯楽   在りつけられる日々よ  それが理想と呼べてもいいんじゃない? 笑顔のきれいな娘と結婚して  子供も二人位いて 一軒家は無理だとしても  幸せならいいな 考える こんな事でさえ 大き過ぎるかな  なんてニヤケてしまう僕だ 無欲な訳じゃない 誰もが持ち得る  ささやかな喜びを噛み締めよう 彼が夢に苦悩する頃…… 僕は満員電車に押し込められて家路についてる 彼が夢に輝く頃…… 僕はビール片手にナイター中継観て 明日の仕事睨む 何が特別なんて ないのさ僕も彼も 辛さと遣り甲斐を 抱えてく……  色んな理想の明日があって   何が素晴らしいって  個々の価値観の中で  僕もそうなんだ   人として努力する我が身を誇らしく思う  確実に進んでるんだ 僕の生き方も  彼に負けない 立派の理想だと…… 2000
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