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「まだ大丈夫。寝直してもいいよ。朝飯できるまでまだ少しかかるし」
そう笑う彼が、よく見ると菜箸を手にしている。
「え、作ってくれてたの!? ご……ごめんね! 今、私も」
「いいよいいよ。今日は特別だし」
「え」
特別?
あわてて飛び起きたところを軽く制されてキョトンと彼を見る。と。
あー……しまった……と、なぜか彼はこめかみを掻いて苦笑いしている。
リビングのテーブルには見たこともない淡いラベンダー色のクロスが掛けられ、サラダにスープ皿、まだ空だがグラスが置かれている。
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