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ふんわり漂っているこの匂いから察するに、あの空いた中央にはおそらくスクランブルエッグ、そしてホットサンドあたりが加わるのだろうか。
準備されつつあった二人分の朝食。
茫然と、でもあたたかなものを胸に感じながら、立ち上がった彼を見上げる。
「……ホントは全部できてから起こして、びっくりさせようと思ったんだけど。俺どうもキマんなくて……ごめんな?」
ため息まじりに彼は笑った。
「夜はほら……今日は俺、前から言ってた接待あるし。でも絶対今日のうちに!って思ったらやっぱり朝しかなくて」
「……」
「誕生日おめでとう」
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