終わりとはじまりはチョコレートとともに

8/16

8人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
 近付きたくないのに足は止まらない。  自分を呼ぶ遠い声。  やめて。止まらない。  もう関係ない。声。来ないで。どうせ好きじゃないんでしょ。消えて。  パーカーの腕がゆっくりと持ち上げられて近付く―― 「!?」  肩をつかまれて悲鳴をあげた……つもりだった。 「鈴? どうした?」  目が覚めた……ここは、自分のベッド。  私の部屋、だ。今の。  もちろん引っ越したあとの。  そして心配そうに顔を覗き込んで肩をさすってくれているのは、あいつではない。別の男性。  去年付き合い始めた、今の恋人――。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加