第一回

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第一回

 あーあー。これで聞こえてるのかね。まあ別にそこはどうでもいいんだけどな。  さてと。俺だって好きでここで喋ってる訳じゃない。やることがあってここで喋ってるんだ。  それは俺の話だ。知らないおっさん話なんて聞きたく無いだろうが我慢してくれ。俺だって若い頃はあった。  このくそつまらない話の始まりはとある王城の中だ。ずいぶん時代錯誤だと思うよな。そりゃそうだ。地球上の話なんかじゃないからな。  今風に言うと異世界転生とか言ったか? まあ似たようなものだ。  ここまで聞いて頭のおかしいジジイの妄言だと思ったならそのまま聞くのをやめてくれてもいい。でも一人ぐらいは聞いてくれると嬉しい。  じゃあ話を始めるぜ。あれは確か俺が21の時だからちょうど20年前か。
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