0人が本棚に入れています
本棚に追加
第二回
「ようこそいらっしゃいました勇者様」
「ここは…? 俺は一体…」
この頃は異世界転生物の作品なんて全然無かったしな。当然俺も知らなかった。
「あなたはエクシディア様に選ばれし勇者なのです!」
「え? えっとなんだか分からないんですけど人違いだと思います」
「そんなはずはありません。貴方様のお力が必要なのです!」
「えっと…俺の力でよければ…」
当時のバカな俺は美人に言い寄られて鼻の下を伸ばしてた。
「ありがとうございます! まずはそこにある服に着替えてください」
「あっはい。ずいぶんと豪華な服ですね。………ん? なんか妙にこの服重たくないですか?」
「申し訳ありません。我々のこの状況ではまともな素材も集められず我々が出来る精一杯の物で作ったのですがお気に召しませんでしたか?」
「え、いや大丈夫です」
考えてみれば簡単な話だが別に悪い素材を使ったところで服が重くなることなんてない。周りの調度品も豪華なものだったしな。
最初のコメントを投稿しよう!