絶望の海で息をする

絶対反証

　この世は矛盾の世界である。そのため、あらゆる事象は正しいとも言えるし、正しくないとも言える。悪や正義という考え方では、個人ルールまでにしか達することができず、もがき苦しむことになる。

　絶望の海にはそういう決まった規律はない。徹底して、あらゆるものを否定し、打ち破り、破壊する。そして新しく創造し、この世に顕現させる。神すらも畏れぬ想像と破壊の悪魔が己が忌々しい幻想を打ち破り、無心にて肯定するはここにある。

　しかしこの絶対反証にも瑕疵ある。絶対に否定できるは十割ではないか？

　解は問題提起がある時点で箱は創られているだ。

　つまり、この絶対反証もまた個人ルールの域であり、己を騙すための洗脳だ。絶望の海から形として取り出したものは、全て個人ルールであることを、心掛けておいてくれ。