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 蓮君は、私が初めて幸せになってほしいと思った人。  好きだから、そばにいたいし、好きだから、笑っていてほしいと思った人。    どちらも本当の気持ちなんだから、仕方がない。  けれど、未来を考えると、両方とも叶えるのは絶対に無理なんだ。    本気で蓮君を思うなら、今の彼がいるべき場所は、私の隣じゃない。  帰ろう。帰ってまず、返事もせずに飛び出したこと謝らないと。  怒って出て行ってしまったりしていないか急に不安になったけど、すぐに、蓮君が、そんなことするはずないって思い直せた。  冷たくて、視界が狭いけれど、私を味方してくれているような雨の威力は、少しずつ弱まっていた。  雨に背中を押されながら、私は家まで帰った。
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