Cherry × Cherry night【4】

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 聞こえるのは、熱を持った吐息と喘ぎ。  それから、皮膚と皮膚がぶつかる鈍く力強い音。 「あぁ……かーくん……かーくんっ」 「慎吾っ」  あとは、互いを求めて呼ぶ声だけ。  重厚な風合いの木材を使った学習用の平机と本棚、家具が数点あるだけのシンプルな恋人の部屋は、静かで少し堅苦しい雰囲気が漂う。 「あっ、あぁ……っ」 「ここ、もっと抉る? 欲しいか?」 「んはっ……ぁ、うん。もっとっ」  けど、今その部屋に充満してるのは、熱く淫らな、蕩ける甘さ。堅苦しさとは真逆。  素っ気ない無表情をかなぐり捨てた部屋の持ち主は、来訪者の俺を荒々しく揺さぶり続けてる。迸る熱情を俺だけに見せ、ぶつけてる。 「かーくん? 俺、もう……っ、ひゃんっ」  もう限界。そこまで来てる。わかる。  こじ開けられて抉られて、熱い楔を奥で受けとめ始めてから、もうどれだけ経ったのか。ずっと喘ぎっ放しの喉の渇きでも、それはわかる。 「なぁ、もうほんと駄目。すげぇ良くて、頭、真っ白になっちゃ……あっ、あっ、はぁ、んっ」  駄目だよ、もう。イっちゃう。イっちゃうっ。 「ん、俺も。気持ち良い以外、何も考えられないくらいだ。じゃあ、一緒に」 「んっ! んあっ、やっ……ああぁっ!」  性器を扱かれながら、ずくんっと強い突き立てを食らい、恋人の体重を背に受けた体勢で絶頂を迎えた。  あぁ、俺……。  しまった、と思った。  俺も言いたかったんだ。『一緒に』って。一緒にイきたいって言いたかったのに、快感がすごくて言いそびれた。  それから、『しまった』は、もうひとつ。 「……っ……はぁ、っ……うわぁ、ヤっちまった」  荒い呼吸のまにまに、心の中だけで頭を抱える。  ピッカピカに磨き上げられた綺麗な窓ガラス。そこに、俺が弾け飛ばした白く粘つくアレが、淫靡な彩りをバッチリと残しちゃってるんだよぅ。  あはっ……あははははっ……。
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