03.Liar

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お客の返事も聞かずに、俺はLiarのドアを閉ざした。 だいたい、最悪のシナリオを想像もできてないから、ここに宿泊する羽目になるんだろ? 借金漬けで、携帯電話や銀行口座の契約をさせられ、それでも払えず、強制労働行きだろ。 一昔前はマグロ漁船。 ちょっと前はダム建設や原発作業。 今ではロシアあたりに売り飛ばされ、一生漁船でただ働きが主流だ。 強制労働先は、とても逃げられる環境じゃない。 搾り取るだけ搾り取られて、借金だけ膨らませられて、最後は人身売買。 一泊二十五万円のホテルに泊まるってことは、明日売られるってことだ。 だから、逃亡できないように、警察や弁護士に駆けこまれないように、ここを使う。 ようこそ、暗闇ホテルへ。 お宅の人生は一寸先闇の中だ。
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