83人が本棚に入れています
本棚に追加
「おっと、残り二部屋のお客が来たぞ。Meetsは任せた」
お客が来る時間がかち合わないようにしているが、難しいこともある。
三分毎に電車が来るような都心沿線ホテルじゃないからな。
どうしても車移動だと道路状況と運転速度に左右される。
俺はCool(いかれ野郎の間)の対応をする。
車を地下駐車場に誘導し、向かった。
途中、Meets(遭遇の間)のお客とすれ違った。
息を呑むほどの美女だった。
どこかで見たことがある気もする。
女性客は、Liar(嘘つきの間)に先程宿泊させた輩と違って肝が据わっている。
日替わりで運び込まれる彼女達が喚き散らしたり、逃亡を試みたりすることは、少ない。
どこかに売られていくことを理解しているんだ。
外国人女性は違うけどな。
何とか誘惑しようと色仕掛けで迫って来る。
密入国し、故郷の家族に仕送りしたいんだろうけど、個人だと命の危険がある。
ある意味、組織に管理されていた方が安全なんだ。
きっと、今頃、オニオンはそう自分に言い聞かせているだろ。
最初のコメントを投稿しよう!