04.オニオン

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「おっと、残り二部屋のお客が来たぞ。Meetsは任せた」 お客が来る時間がかち合わないようにしているが、難しいこともある。 三分毎に電車が来るような都心沿線ホテルじゃないからな。 どうしても車移動だと道路状況と運転速度に左右される。 俺はCool(いかれ野郎の間)の対応をする。 車を地下駐車場に誘導し、向かった。 途中、Meets(遭遇の間)のお客とすれ違った。 息を呑むほどの美女だった。 どこかで見たことがある気もする。 女性客は、Liar(嘘つきの間)に先程宿泊させた(やから)と違って(きも)()わっている。 日替わりで運び込まれる彼女達が喚き散らしたり、逃亡を試みたりすることは、少ない。 どこかに売られていくことを理解しているんだ。 外国人女性は違うけどな。 何とか誘惑しようと色仕掛けで迫って来る。 密入国し、故郷の家族に仕送りしたいんだろうけど、個人だと命の危険がある。 ある意味、組織に管理されていた方が安全なんだ。 きっと、今頃、オニオンはそう自分に言い聞かせているだろ。
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