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だから、善悪なんて関係ない。
うちのホテルのモットーは二つ――。
俺は、チェックインした若いお客に挨拶をした。
服には乾いた血の跡。
顔の痣は最近できたものだろうな。
「ようこそ、名もなきホテルへ。
うちのモットーは二つ。
どんな奴でもお客なら泊める。
宿泊中の身の安全は保証する。
以上です」
締めの言葉は決まっている。
俺は、お客と依頼人の目を交互に見据えて言った。
「ではチェックアウトまで自殺などなさいませんよう、監視させていただきます」
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